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PSO2ライフでのできごとや、想いを綴る場所。
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キャラ名:十六夜・蓮華
所属チーム:IRIS-イーリス-
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一人のアークスの少女が紡いだ、絆の物語。

vo.1:ここ
vo.2:読みに行く
ALL:まだ

勝手にイメージソング=『Our Fighting』:クーナ(喜多村英梨)

《今回の前書き》
なんていうか、初めて書いてみました、二次小説(´・ω・`)
自身のモチベ維持の為にも、ある程度書いたら公開する形を取ろうと思います。
そうしないと、投げちゃいそうw

今回は、今作の舞台の紹介までとなってます。ええ、紹介までに原稿用紙18枚でした。
主人公の名前出すのに、7枚使いました。色々未熟ですいません。
生暖かい目でも冷めた目でもいいんで、見守ってやって下さい。

*追記:主人公の容姿に関して軽く追記と、誤字脱字等を修正しました。

拍手[1回]



 忙忙とした波長が行き交うロビーに、少女は姿を現した。
 薄い青色を施された研修生用の制服を纏い、後ろで束ねられた尻尾のよう長い髪。キャンプシップより帰還した彼女は、ロビーの様子に気付く事もなく、不釣り合いに肩を竦めて溜息と伴に言葉を零す。
「ふー。何とか勝てたけど、今回も落とさなかったなあ。……ホントにロックベアで合ってるのかなあ?」
 制服に溶ける事を拒むように深い青色をしたその髪が、彼女の動きに応じて揺れる。疑問を含んだその言葉に、応える者の姿は見えない。
 彼女は一人で帰還し、近付いてくる者は皆彼女との対面が目的ではなく、その背後のスペースロードにあるからだ。今も尚、彼女を気にする事もなく、数名が脇を通り過ぎていく。
「ジグさんを疑うわけじゃないけど、一向に落とす気配がないよ~。アレさえ手に入れば、ヴォルドラゴンにも勝てる気がするんだけどなあ」
 少女の独り言は、尚も続く。普段より“友人”や“仲間”といったものと行動をしない彼女は、こうやって独りで言葉を吐く事だけが上手くなった。
 覇気ーーというよりも、自信を感じさせないその表情はまるで、研修生のソレとも取れる。
 とはいっても、誰もが彼女と面識が無いわけではない。
 同期としてアークスに就任した、アフィンが良い例だろうか。普段は今彼女がいるスペースゲート付近に陣取り、姿を見掛けるなり声を掛けてきてくれる。
 こう聞けば良い同期としての人物であると思うのだが、彼女にはアフィンに対しての不満が在り、そう認識させない節があった。
「ーーよお、相棒!」
 噂をすれば、そのアフィンの気さくな声が少女の耳に届いた。
 声のした方へ顔を向けると、確かにソコに彼はいた。尤も、肝心の声が向けられたのは少女にではなく、面識のない他の女性アークスに対してだが。
 コレが、少女が抱くアフィンへの不満。
 人懐こく、気さくな彼は誰に対しても平等に接する。しかし、同時に誰彼構わずに“相棒”と口にするのだ。アークスという、任務を受け持つ職業柄、“相棒”という言葉は少女にとって、とても重要な意味として認識された。
 同期として、就任初日にナベリウスでの『ダーカー大量発生事件』に巻き込まれ、何名かの同期生の犠牲を出しながらも伴に生き抜いた間柄だ。特別な関係であっても何ら不思議ではないが、アフィンの性格が逆に少女を牽制させた。対象が異性であるが故にか、不運にも性格と相俟って一層強い疑心となったのかもしれない。
 そのアフィンと巻き込まれた事件で、二人を掬う形となった先輩に当たるアークスであるゼノもまた、事件後から少女によく気を廻してくれる良き人物だ。傍目からは典型的な漫才夫婦と称される相方のエコーと伴に、色々とアドバイスをくれたりもした。
 ーーが、四月に起きた『巨躯復活』に於いて、ゼノが消息不明になったとの噂が、アークスシップを流伝する。
 正義感が強く面倒見の良かった彼を慕うものは少なく無く、少女も当然その一人であり、噂を耳にした時は、真意を確かめるべくエコーの元へと足を運んだ。
 ソコで目にしたのは、ゼノと二人でいた時には見せた事が無い、酷く落胆し消沈した彼女の姿。
 少女はそんな彼女に掛ける言葉を見つけられずに、距離を置く事を決めた。
 こうして、(一人は少女に依る自発的なものであるが)数少ない少女と関係を持つ者は居なくなった。加え、口下手で人見知り。所謂内向的な性格もあり、彼女は新しい友好関係を持てずに過ごしてきた。
「私も頑張らないと……」
 アフィンを目にした事で、同時にゼノとエコーの経緯が脳裏を掠め、いつの間にか俯き消沈していた少女が、ゆっくりと顔を上げる。
 ーー私も。
 少女が指す人物は、エコーである。
 同性であると同時に、彼女もまた少女を気遣ってくれた先輩だ。距離を置いたとはいえ、アフィンとは違い気にならない存在ではない。
 風の噂で、エコーがフォースから資質の合わないハンターにクラスチェンジしたと知った時は、耳を疑った。しかし、ある日ロビーで防具を一新しガンスラッシュを携えた彼女を、目にしてしまった。加え、惑星ウォパルで懸命に鍛錬をする姿を観た者や、以前よりも積極的に人助けに精を出しているとの情報も得た。
 ソレからだ。少女も同じく、強くなる事を。いつの日か、エコーの隣に立てるようになると決意したのは。
 内向的ではあるが、少女は純粋な程の真面目さを持ち得ていた。自分を識る数少ない“誰か”の為に、彼女は先ず、自身の戦力の強化を見出した。ソコで、ジグという翁から現状の能力に合った武器の情報を得て、同一エネミー討伐を繰り返しているというわけだ。
「それにしても……」
 キャンプシップから帰還し、初めてロビーをまともに目にした事で、少女はやっと周囲の異変に気付く。
 パーティーを集う声を初め、他のアークス職員の声が響き渡り、慌しい足取りで幾人ものアークスが少女の司会を横切っていく。
活気が付くとは違う。確かに賑わいと言えないでもないが、ロビーを漂う空気は殺伐としたものだ。中には、明らかな殺気を放っている者がいるようにも思えた。
「な、何かあったのかな」
「ーーあら、イーリス。お帰りなさい」
 決して小さくない不安を抱え、周囲を見回しながらクエストカウンター付近まで足を運んだ少女に、ふと声が掛けられた。
「あ、レベッカさん。どうも、ただいま戻りました」
 声の主は、アークスに現在出ている任務を提示する役割を受け持つ、アークス職員の一人、レベッカ。非戦闘員ながら、その役割故に何度も顔を合わせる事になる彼女もまた、少女――イーリスを識る一人だ。
 尤も、互いの役割の差故に、ゆっくりと言葉を交わした事は少ないが。
「その顔じゃ、目当ての物は出なかったみたいだけど」
「あはは……判りますか」
「そりゃあねえ。それにしても……」
「はいーー?」
 カウンターの端末を手際よく操作するレベッカの言葉に、イーリスは首を傾げる。
「今どき、あなたほど好んでロックベアの討伐任務を受ける人はいないわよ?」
 恐らく、レベッカが目にしている端末情報には、イーリスの任務遂行記録でも表示されているのであろう。若干の呆れを含んだ口調で、彼女はそう零した。
「まあ、おかげで助かってる面もあるんだけどね」
 そんなレベッカに対して、苦笑いを浮かべながらイーリスは言葉を紡いだ。
「それよりレベッカさん、何かみんな慌しいですけど……何かあったんですか?」
 二人が言葉を交わしている間にも、ロビーの様子は治まる気配はなく、それどころか、時間を得る毎に一層強まっているようにも見える。中には、深い傷を負った者もおり、帰還するなり仲間の方を借りてメディカルカウンターに運ばれる者もいた。
 こんな状況を目にしては、誰でも察するであろう。
 ーーただ事ではない、と。
「ああ、あなたがナベリウスに出撃してる間に、ダークファルスがアークスシップに攻撃を仕掛けてきたのよ」
「~~~~ええっ!? そ、そんな大事な時に私……」
「気にする事はないわよ。あなたは別の任務を受け持ってたんだし。ソレにーー」
「~~~~?」
 ロビーを支配せんとする空気の起源を知り、驚愕と落胆を織り交ぜるイーリスに対し、レベッカは続けた。
「ーーどうせ、任務に無我夢中になってて、こっちからの緊急警報ログに気が付かなかったんでしょ?」
「へーーっ!?」
 意図してかそうでないかは定かではないが、レベッカは茶化すような態度で紡いでみせた。
そんな彼女を他所に、イーリスは慌てて自分の携帯コンソールを確認する。
 端末に表示されたログには、確かに約二時間前にダークファルス襲撃を報せる情報が届いていた。
「う~~~~」
 レベッカの思惑とは違い、イーリスはますます自分を卑下して塞ぎ込み始めてしまう。
 元より、自分がその情報を拾っていたとして、迎撃に間に合っていたのか。そもそも、迎撃要員となれるだけの戦力に足るのか。そんな、負の疑問を抱く。同時に、その答えさえも。
 だからこそ、イーリスは尚更自分を責めた。時に行き過ぎた真面目さというのは、自身を苦しめる枷となる。今の彼女のように、自分が犯した過ちを許せずにはいられなくなるのだ。特に、普段から独りでいる故に、ソレを吐き出す相手も抑制する術を持っていない。
 現在、彼女が抱える一番の弱点でもあると言える。
「~~~~あ、あのねえイーリーー」
 完全に思惑が裏目に出た事を悔いたレベッカが、慌ててフォローに入ろうとした時だ。そんな彼女の……いや。イーリスは勿論、ロビー全体の言葉も動きさえも掻き消し、ソレは響き渡った。
『緊急事態発生。惑星リリーパの採掘基地周辺に、多数のダーカーが接近しつつあります』
 突如鳴り響いた警報は、ロビーの空気を更に悪化させた。
「ーーき、緊急警報!? こんな時に……」
 イーリスへと声を掛けようとしていたレベッカは、その行為を中断して慌しく端末を操作し始める。途中、コンソールを通しての遠隔通話や、塞ぎ込むイーリスを押し退けて詰め寄ってくる他のアークスへの対応で、二人のやり取りは完全に遮断された形となった。
 ロビーの空気は、ますます重くなっていく。パーティーを集う声や対応する職員の声には、怒鳴り声と成っているものも混じり出している。そして尚、流れ続ける緊急警報。
「さ、採掘基地って確か、最近になってリリーパに建てたっていう基地の事だよね。なんでダーカーが……?」
 警報に混じって零したイーリスの言葉に、レベッカはおろか、他に応える者は当然いない。
 加速して広がっていく負の空気が、連鎖反応を起こしてロビーを完全に支配しているようにも見えた。
 尚も大声でパーティーを集う者。既に武器を携え、キャンプシップへと向かう者。クエストカウンターに情報を求め詰め寄る者。
アークスシップのロビーとは思えない程の殺伐さの中で、最早、誰もイーリスに構う暇を持つ者などいなくなった。
「イーリス、貴女にはこれより惑星リリーパでの採掘基地に於ける防衛任務に当たってもらいます」
 ーーそう思った矢先だった。
 カウンターに詰め寄る多数のアークスの間を縫って発せられた声は、確かにイーリスへと向けられ、彼女の名を刻んでいた。
「……え?」
「~~~~コ、コフィーさん!? この任務はイーリスにはまだ……」
 その声の主は、レベッカの隣で尚も端末を操作し、現状に対応しているコフィーだ。管理官という肩書を持つ彼女は、レベッカと比べるまでもなく冷静に対応に当たっている。
 そんなコフィーに、どう対応していいのかが判らず、ただ呆け顔を浮かべるイーリス。
 言葉の意味は解る。だが、その言葉を自分に向ける意味が解らない。
「さあ、早く準備をして出発して下さい。あの採掘基地は今後も必要となる重要拠点です。何としても護ってください」
 ソレでも尚、コフィーは続ける。相変わらず、冷静さを掛ける事なく、言葉を投げた後は直ぐにイーリスから視線を外し、端末やアークスの対応に当たる。
 対して、イーリスは更に膨らんだ疑心をどう扱えばいいのか。それすらも判らずに、やっとの想いで、一言を発した。
「~~~~な、なんで私に……」
 任務を渡された事に、不満や嫌悪を抱いたのではない。単純に、疑問。
 ーー何故、自分なのか。
 ただそれだけの事に、イーリスは他の言葉も行動も封じられていた。
 しかし、発してしまった言葉はもう消せない。管理官に対し、取りようによっては反抗ともいえる行為。一瞬にして、イーリスの口は乾き切り、唾液を飲むという行動にも、異常な緊張と力を要した。
「そ、そうですよコフィーさん。彼女にはーー」
「現在、アークスシップに滞在しているアークスの半数近くは、先のダークファルスの迎撃により、疲弊。ないし負傷しています」
 レベッカが慌しい手つきで端末を操作しつつ、何とか横目でコフィーに言い寄ろうとするが、コフィーはソレを言葉だけで制した。彼女もまた、対応がまだ追い付かないのか、端末を操る手つきはかなり忙しない。
 だが、その端末へと眼を向けたまま、イーリスへの言葉は紡いでみせた。
「そして、ダークファルス迎撃後に、ある宙域に対して異常値を観測。コレをダーカーの巣と認識し、出撃可能な者には一斉調査任務を発令しています。現在、疲弊者及び負傷者を除いて動ける者は、数が限られている状況なのです。その内の一人がイーリス。貴女というだけの事です」
 淡々と、まるで機械のように規定文でも述べるかの如く、コフィーは言い放った。一度も、その顔をイーリスに向ける事なく、だ。
 そんな態度が、余計にイーリスの心を揺さぶる。自然と、俯く格好となってしまった。
 行動を伴にする者が居ないだけではない。立ち回りの殆どが独学であり、殆ど同じエネミーとの戦闘経験しかない彼女の戦闘能力は、決して高くない。加え、一種の昂揚にも繋がる装備もまた、心許ないものだ。
 このような自分が、そんな大層な任務に向かって大丈夫なのか。イーリスの不安はさらに膨らみ、気付けば、コフィーに対する疑心すらも生まれてしまっていた。
「わ、私には無ーー」
「ーー貴女がこの任務を受けられないとなると、先の任務での疲弊者や負傷者に任務を廻す事になります」
「~~~~っ!?」
 精一杯の勇気を振り絞って、拒否を行おうとした途端、まるで読んでいたかのようにコフィーはイーリスへ追い討ちを掛ける。
 その言葉に思わず顔を上げたイーリスは、確かにコフィーと眼を合わせた。というよりも、二人がそうした結果なのだろうが。
 だが、そうした時間も刹那に過ぎ、コフィーは再び端末へと眼を向けてしまった。
「もう時間もありません。受けるのならば早々に準備をして、出発して下さい」
 対応の合間を縫って二人のやり取りに眼を向けていたレベッカも、最早言葉を挟む事は止めた。単純に自身が対応に追われていただけという事もあるが、ソレよりもコフィーの放つ威圧感にも似た何かが、そうさせなかった。
「アークスとは一人ではないのです。そして、任務は一人で行うものではありません」
 ふと、コフィーが零す。
反応を示したのは、レベッカを初め、カウンターに詰め寄る数名のアークス達。全員が全員、コフィーの言葉の向け先を理解していたかは判らない。相変わらず、端末に眼を向けて対応に追われたままだが、その言葉は確かに、イーリスへと向けられたものだった。
 僅かにイーリスが反応を示した矢先、コフィーは顔を上げて、再度眼を合わせてみせた。
 恐怖や驚愕とは違った何かが、一瞬イーリスの躰を振るわせる。その直後だ。
「ーーイーリス、貴女はいつまで独りでいるつもりなのです?」
 真っ直ぐと、逃げ出そうとしているイーリスの眼を確と捉え、コフィーは問い掛けた。
 途端、イーリスは声に成らない悲鳴を上げた。
 痛かったからだ。
真っ直ぐに自分を捉える眼差しが。真っ直ぐに自分を突き刺す言葉が。そして同時に、逃げ出そうとした自分の、鎖の無い足枷となった。
「ーーわ、私で力に成れるなら……行きます」
 コフィーが自分に向けた想いを受け止め、イーリスは乾いた声で応えた。
 ロビーを渦巻く空気のせいか、それとも先までのやり取りのせいか。彼女は汗ばんだその小さな手を、強く握り締めたーー。
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どうも。お疲れ様です。m(_ _)m
セフィク(ティエル)です。

小説の方拝見させて頂きました。私個人の方であれこれ言えるものでは無いですが、良い感じでまとまっていると思います。
この調子で頑張って下さい♪

失礼しました。m(_ _)m
セフィク(ティエル) 2014/05/05(Mon)15:56:18 編集
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