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PSO2ライフでのできごとや、想いを綴る場所。
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ID=雛櫻
キャラ名:十六夜・蓮華
所属チーム:IRIS-イーリス-
メインクラス:ガンナー
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「――あなたは、誰?」
二人の少女が謳う、絆の物語。

勝手にイメージソング=『clover』:meg rock

前編:読みに行く
中編:読みに行く
後編:ここ
ALL:
pixiv:読みに行く

《前書き》
どう読み返しても、“エピローグ”とは違ったので、前中後の三編に変えました。
元よりそもそもエピローグという概念は考えてなかったのですよね、短編ですし。
さて、後編は前編と中編の補足と茶番です。
特に茶番ってセンスがもろ解っちゃうよね(ノД`)・゜・。
ありきたりな物を書かせて頂きましたよ、それはもう(´・ω・`)ドヤア
なんにせよ、『U&I』の最後まで読んで頂ければ幸いでございます。

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 陽気なBGMが繰り返し流れる広いルームに、少女は居た。
 他に誰の姿も見えない。最大で百人が収容できると謳われるこのルームで、隅に設置されたバーカウンターに腰掛け佇んでいる少女の姿は、より寂しさを際立てる。
「――はぁ……」
 ふと、少女が溜め息を吐く。光景が示す通り、その表情は浮かない。肩から垂れ下がってきた尻尾を指に巻き付かせながら、イーリスは一人耽る。
 ギルの通信を受け、揚々とナベリウスに向かったはいいが、肝心のタガミカヅチには逃げられてしまったらしい。とは言っても、ソレ自体は然程問題ではない。
 問題なのは、その後。
 ギル達はルベルトの依頼を続行するので分かれる事になったが、まさか、自分達もそうなる事になるとは思ってもいなかった。
 折角出てきたのだから、このまま奥まで探索して帰ろうというイーリスの提案を、プルミエールは拒否した。予想だにしていなかった答え。
 元々、プルミエールは目的や意にそぐわないからといって、そういった提案を蹴るタイプではない。仮にそうするのであれば、自身が他に何か事情を抱えている場合。
 ――ごめん、ちょっと用事ができちゃって。
 現に、彼女はそう告げた。だからこそ、余計に胸が痛む。
 手伝うと打診した言葉にさえ、プルミエールは首を横に振った。食い下がろうとするイーリスに、彼女が浮かべた表情は困却。故に、ソレ以上の追求を止めた。
 納得はできなかったが、そうする振りをする事にしたのは、プルミエールのそんな表情を見たくなかったからだ。
 とはいえ、彼女は合流した際にギルと何かを話していた。ユノに気を取られている自分に、まるで聞かれまいとするかのように。
 ソレが、余計にイーリスを苦しめる。
 強い疎外感。
 確かに、未だ付き合いを持ってそう永い時間とは云えないかもしれない。しかし、そんな事は問題ではないのだと教えてくれもした。特にプルミエールは一際強く――だ。
 だからこそ、哀しい。寂しい。
 我が儘な感情だとは想うが、理解したくないという葛藤に苛まれ、イーリスはテーブルに突っ伏した。誰もいない部屋で、誰からもその表情を見られないようにする為に。
 そうして間も無く――。
「たっだいまー」
 扉が開かれ、ソコからよく知る調子の声が響く。勢いよく顔を上げたイーリスが捉えたのは、ユノと伴に帰還し、自分を見つけるなり駆け寄ってくるプルミエール。
 そんな彼女の姿が、抱えていた葛藤を吹き飛ばす。
「――お帰りなさい、プルちゃん」
 単純なものだと、刹那の間に自笑して、イーリスは応えた。
 しかし、顔を見合わせた瞬間、イーリスは確かに抱いた。
 プルミエールの顔に浮かぶ、何か。言葉にするには適切な表現が見つけられない程の、云ってしまえば無いにも等しい違和感。
 だからこそ、声に出してしまったのかもしれない。
「……何かあった? プルちゃん」
「――ほえっ!?」
 驚愕に声を上げたプルミエールではあるが、遅れて二人の背後に着いたユノもまたそうし掛けた。
 ココに戻るまでに、二人で何度も入念に確認し合った。ユノからすれば、プルミエールのその際の様は執拗過ぎるとも云えた程だ。
 ソレを、容易く看破された。
「えと、えと~」
 想定だにしていなかった事態に、言い訳すらも出てこないプルミエールは、横目でユノに助けを促す。
 首を傾げるイーリスという岸へ向かう為、海原で佇むプルミエールに向けてユノが出した助け舟は――。
「この子ったらね、イーリスの買ってきたケーキを勝手に食べちゃったから、どうしようって泣きついてきたのよ」
「~~~~はわっ!?」
 搭乗者を無防備に晒す、筏(いかだ)だった。
「……へ?」
 ユノの言葉で、軽くプルミエールの顔を覗き込むイーリス。対象の少女の眼は、焦点を合わせる事なく慌しく泳いでいる。
 そのまま、無言でプルミエールに背を向けると、カウンター側のクーラーボックスに歩を進める。その後ろ姿に、プルミエールが声の無い叫びを上げるが、ソレが気付かれる事はなかった。
 そして、クーラーボックスからケーキの入った箱を取り出すと、イーリスは躊躇無くソレを開けた。
「……プルちゃん?」
 視線を箱の中に向けたまま、イーリスが漏らすように口を開く。だが、プルミエールが応える様子はない。
 彼女は、無言でユノの袖を引き訴えていた。
 そんな少女に構う素振りは見せずに、イーリスは再び声を放つ。
「プルちゃん?」
「――は、はいっ!?」
 今度は、顔を上げその眼を真っ直ぐにプルミエールに向けて。
 躰を大きく震わさせて、ゆっくりと眼を自身を呼ぶ声の方へ向ける。同時に躰をユノの背に隠し、ソコから覗き込むように。
「もう! なんで勝手に食べちゃうの!?」
「お、お腹空いてたから……」
「だからって、四つも食べる事ないでしょ! 折角みんなで食べようと思ったのに」
「~~~~ごめんなさい……って、え?」
「――なに?」
 言葉を投げられる度に、徐々にユノの背に深く潜り込んでいたプルミエールが、ふと首を傾げた。
 背中越しに視るイーリスは、頬を膨らませ尚も自分を睨み付けている。何とも云い難い恐怖は更に強まるが、プルミエールは意を決し、恐る恐る言葉を紡いだ。
 イーリスの言葉の中に在った疑惑。
「わ、わたし一個しか食べて……ないよ?」
「……へ?」
 プルミエールの怯えた言葉に、イーリスは再びケーキの箱に視線を戻す。その中には、確かにショートケーキが一つだけ寂しげに、けれども空間を広々と有し堂々と存在している。
 イーリスが購入したのは五つ。丁度、【ルシエル】のメンバーの人数分。箱の側面に貼り付けられた領収書にも、ちゃんと五つ分が記されている。
 少女が二人、合わせるかのように首を傾げる。
 そこへ――。
「なんだ、騒がしいな」
 ギルとカイトが帰還してきた。
 先に場に居た三人が見せる、普段とは違う様子に眼をやりながらギルが云う。
「――あ、お帰りなさい」
「ああ、ただいま。……さっきは済まなかったな。折角足を運んできてもらったというのに」
「いえ、レア種なんですから仕方ないですよ。気にしないで下さい」
「そうか。ありがと……う……」
 そのやり取りの中で、ギルが見せた不審な挙動。
 確かにカウンターの上でイーリスが手にする箱を捉えたその眼を、まるで逃げるように泳がせた。そして何故か、バーカウンター側の座席にではなく、反対側の、距離が開く法の座席へと着こうとする。
 そんなギルに向けて、ユノが銛を放つ。
「ねえ、ギル」
「……なんだ?」
「――頬っぺた、生クリーム付いてるわよ?」
「~~~~な、なにっ!?」
 ソレは、見事に獲物を撃ち抜く事に成功した。
 古典的な嘘(ブラフ)にまんまと掛かったギルは、慌てふためきながら両の頬を服の袖で拭う仕草を取る。その様子を、周囲の四人が冷ややかな視線で見据えている。
 ギルが気付いた時には、既に遅い。
「……ギルさんも食べたんですか? ケーキ」
「は、腹が減ってたので、つい……」
「プルちゃんと同じこと言わないで下さい!」
「す、すまん」
「……美味かった」
「――へ?」
 普段のクールな威厳が掠れてしまう程縮こまるギルの横で、さり気なく言葉を混じらせたのはカイト。
 流れに乗り、自然に自白する事で抵抗(被害)を最小限に抑え存在を象徴する様は、正に彼の名が示すもののようでもあった。
 そしてソレは、思惑通りにイーリスの怒気を散らす事に成功する。少なくとも、自身に対しての――だが。
「まったく……あれ? お二人はいくつ食べたんですか?」
「一つだ」
 少し和らいだイーリスの問いに、ギルとカイトが胸を張って合わせて答える。その二人の態度には関心を示さず、イーリスは再び箱の中を睨む。
 自白された被害の数は三つ。だが、残っているのは一つのみ。コレでは、計算が合わない。
 考えられるとすれば――。
「……」
 イーリスが、ゆっくりと顔を上げ視線を送る。ソレを追うようにプルミエール・ギル・カイトの三人が見据えた先には、ユノの顔。
 しかし、彼女はその四人の視線から眼を――逸らしていた。
「――お腹、減ってたんですね?」
「え、ええ……」
 呆気の無い自白。その様に、イーリスの怒気は完全に何処かへと消えた。
 尤も、プルミエールとギルは逆だ。寧ろ、激昂しているようにも思える程に、ユノへと詰め寄っていく。そんな三人に我関せずといった態度で、或る意味唯一の勝者であろうカイトは、最寄りの座席に腰掛けると、その様子を眺める事に徹する。
 肝心のイーリスも、四人の様子を他所にケーキを皿に移し替えお茶の用意を黙々と進めていく。
 その時だ。
 管理官のコフィーから、恐らくはアークス全員に対し連絡事項が届く。【ルシエル】の五人も、それぞれの動きを止め、すぐにソレを確認する。
 内容は――アークス模倣体に因る被害報告。
 コレまで報されていた被害は、模倣体との接触と同時に戦闘行為に発展。若しくは、ソレにすら至らないままでの、出会い頭の攻撃。
 だが、現在五人が眼を通している通達に記された内容は違う。
 ソコには、模倣体がアークスと接触時に、攻撃ではなく或る種のコミュニケーションを取るとある。それはまるで、本人であるかのように。そして、完全に気を抜いたところを襲われるという被害が続出しているとの事だった。
 この行動への見解は、未だ調査中との記述であるが、予測される事項も記されていた。
 自身(模倣元)の記憶からだけではなく、他者からの言葉や行動。そして記憶を介し情報を得ようとしているのではないか。といった具合だ。
 この仮説が当たっていたとすれば、相当に脅威である。下手をすれば、模倣体をアークスシップ内に招く事にも繋がりかねないのだから。
「――ねえ、イーリスちゃん」
 ふと、コンソール端末から眼を放したプルミエールが、カウンターのイーリスに声を掛ける。先程までの、怯える様子は勿論見えない。
 唯、不安は感じられた。言葉を紡ぐ事へになのか、それとも、そうした際に返ってくるであろう答えになのか。恐らくは、本人も気付いていない心境。
 そうして、首を傾げるイーリスに対し、プルミエールは言葉を紡いだ。
「わたしの模倣体と遭ったら、イーリスちゃんは……どうする?」
 ――どうする?
 余りにも曖昧な問い。倒すか見逃すかというか。それとも、ソレに至るまでの事なのか。言葉だけでは判断に詰まる問い。けれど、プルミエールは口を閉じる。これ以外の表現を持たないかのように。
 ナベリウスでギルの言葉を耳にした際、彼女は直ぐに決意した。
 友人の手が、他の誰かを傷付ける事などさせない。そして、自分以外の誰かにも、攻撃させない――と。
「ん~。いざ遭ってみないとちょっと想像できないけど……」
 プルミエールの言葉の意図を理解しているのか、していないのか。やがて、イーリスは口を開いた。
 まるで、自分を見据える少女をあやすように笑って。
「――プルちゃんの偽物? なら私、判ると想うんだよね」
 その言葉が、プルミエールの望んでいたものなのかは、恐らくは本人さえも判らない。しかし、充分だった。
 大事なのは、言葉よりもその笑顔に籠められた想い。護りたいと願った(ちかった)、大切な友人の想い。
「そっか」
 プルミエールはそう笑い返すと、イーリスの元へ駆け寄っていく。ソレはもう、誰もが識る普段の彼女の姿。
 イーリスの横に腰掛け、彼女がフォークに刺したケーキを、口を開けてせがむ。そんな二人を、自然と笑みを浮かべながら三人は眺めている。
 彼女達が手にする大切な人との日常が、今日もこうして訪れ、過ぎていく――。

《後書き》
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございます(*´ω`*)
クローン(模倣体)との対峙と、その少女の心境を描いた今作ですが、如何だったでしょうか?
元々は王道っぽく、主人公に模倣体を叩いてもらおうとプロットを立ててたんですが、
途中で逆にした方が面白い&自身の好みだという事に成り、変更しました。
今作は読み手の心理状態というかイメージを予想して、引っ掛けじみたものを書いてみました。
中編の模倣体との戦闘が正にそうですね。
幾つか「引っ掛かった」という言葉も貰えたので、満足してますが、一応さり気なく本物には
あるキーワードを語らせて判るようにはしたつもりです。

さて、よくある「友人・恋人を攻撃できるか」という問題に対し、
「できない」と答えるキャラよりも、「できる」と答えるキャラの方が好きです。
ソコから更に、「外見で判断なんかしてない」ときっぱり割り切れるタイプよりも、
そうは言いつつも「内心はぐちゃぐちゃな心境で押し殺して攻撃する」タイプが好みです。
今回で云う、プルミエールがそうです。
そのせいで、今作では完全に彼女が主人公です、本当にありがとうございました。

バトルものである、燃える戦いとかってあるじゃないですか。
ライバル同士の戦いだったり、強敵との長期に亘る戦いだったり。
私は、ソレよりも初めから仲間だった、
“戦う事が予想できない者同士の戦い”が、一番燃えたりします。
DBでいうなら、クリリン&悟空VSジャッキーチュン(亀仙人)の師弟対決や、
クリリンVS悟空みたいな。
まあ、2作目でしかも別にバトルものを目指してるわけでもないのに何してるんだって話ですがねw

なんにせよ、クローンなら“アプダクション”があるじゃないかという声があるでしょうが、
アレを基に私が書いたらどうなるかなんて、もう予想は付きますよね……。
なんというか、著者の特権らしく、書きたいものを書いたっていう作品です。

では、また次回が在るならば、その時はよろしくです(*´ω`*)
繰り返しになりますが、最後まで読んで頂き、ありがとうございました♪

from:雛
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